Windows ARM on ラズパイ や Full Windows on Raspi、 Windows 10 Raspi (Not IoT)などと様々な呼ばれ方をする今回2019/2/14のWindows10 on ラズパイ。
インストール自体が、超えられない壁で、その先の活用にまで繋がっていない。
インストール>>>>>超えられない壁>>>>>Windows10 ARM64 Raspberry Pi 3の動作検証〜応用
正式にラズパイ財団の公式フォーラムで取り上げられている場所
インストールの手順は、もうそれほど複雑でもなく、すでにいくつかのサイト様を参考にしていれば、だいたい明確なはず。
インストールの途中で失敗しても、どう回避すればいいのかが、わからないため途中放棄してしまう。
なので、つまずきポイントを以下に示す。
◆つまずきポイント
(1)インストールプログラム自体が動作しない
(2)インストールに時間がかかる
(3)キーボードやマウスが効かない
(4)リブート、無限ループ、ブラックアウト、エラー画面などとにかく正常な画面にならない
(5)とにかく動作が緩慢で重くて使い物にならない
(6)Windows Updateによる高負荷プログラム
(7)通常のマルチタスクで動いているプログラムによるディスクアクセス負荷
1〜5の先にやっとWindows デスクトップの通常の画面が表示されるので、その後、6と7でプロセスをとめれば、メモリ1GBの、Atom相当のSoCであるラズパイでも、フル機能Windowsは実用に値する。
確かに簡単ではない。しかし上記のように問題がはっきりしているので、時間と手間がかかるが出来ないことではない。
Linuxのインストールやマルチブート、Android x86や仮想環境のインストールと、OSやエミュレータをインストールしてきた人にとっては、それほど難しいことではない。あとはコスパがということだろう。
ネットの噂が先行してしまったため、先に進んでもメリットがないと思われてしまったが、Linuxだって中古PCの活用や趣味でインストールするのだから、メリットだけでも無いだろう。
いくつもラズパイを手元に持っていて余らせている人、ましてや2020年まで Raspberry Pi 4 は出ないのだ。
と色々言ってみたが、実際のつまずきポイント解消法を以下に示す。
ポイントは・・・のあとに示していて詳しいことは後述。
◆つまずきポイント解消法
(1)インストールプログラム自体が動作しない
・・・電源はちゃんとしたのを買う
(2)インストールに時間がかかる
・・・microSDもちゃんとしたのを買う
(3)キーボードやマウスが効かない
・・・BIOS画面設定完了直後にデバイスを外す
(4)リブート、無限ループ、ブラックアウト、エラー画面などとにかく正常な画面にならない
・・・(1)の完全適用 かつ CPU=MIN
(5)とにかく動作が緩慢で重くて使い物にならない
・・・インストール時はmicroSDカードを高速版へ。それ以降はWUpdateによるもの。
(6)Windows Updateによる高負荷プログラム
・・・モニタ解像度800x600に設定
(7)通常のマルチタスクで動いているプログラムによるディスクアクセスによる負荷
・・・Windows10軽量化
(1)インストールプログラム自体が動作しない
・・・これは複数合って、大きく3つある。
microSDの品質
電源アダプタの品質
電源アダプタを繋ぐUSBケーブルの品質
これらは、案外今なら安く購入できるので、新規に揃えても惜しくないだろう。
microSDは、32GBの転送速度80MB/s以上のもので、ラズパイで使える評判のいいものを選ぶ。
安ければ800円〜1200円で手に入る。
送料が惜しいなら、せっかくなので2枚以上用意しよう。オリジナルのバックアップにもなる。
おすすめは
電源アダプタは、色々あるが5V 2.4Aの公式のものを選ぶのが簡単だ。
1400円からあるのでそれが高いと思うなら、直接ケーブルが生えている、USBケーブルを介さないサードパーティ製のもので、2.4A以上のを探すことだ。
おすすめは
USBケーブルは、急速充電と書かれた5V 2A 以上と明記されているものがいいのだが、1200円以上したりするので、我慢して自作するのもあり。しかしその場合は、電源アダプタを5V 3Aにし、自作USBケーブルを通常の撚り線(よりせん-分解すると髪の毛以下の極細銅線をよってあるもの)ではなく、1ミリ以下の単純な銅線2本で出来ているもので作り、長さを15cm以下にしよう。
おすすめは
自作のおすすめは
昔の携帯の充電用ケーブル
自作するくらいの手間をかけるなら、素直に買ったほうが早い。
それでも1400円が出せないのなら、コンビニで売ってる充電式・電池式の充電器の5V 2A以上で、単3✕4本の容量が大きいのが980円から売っているのでそれだと、変に電源が不安定にならない(新品のマンガン・リチウム電池だと、無くなる直前まで5V安定)ので、他に流用する予定があればいいかも。モバイルバッテリーは高性能ゆえ不要な時に電圧が下がってしまい、安定とは言えない。
(2)インストールに時間がかかる
・・・これはおま環とも相まって、なんとも言えないが、ネットワークが遅かったりmicroSDカードリーダがUSB2.0だったりするとそれだけで最初に作るISOのダウンロードやWoAツールによるラズパイ用のインストーラ作成の書込みに時間がかかってしまう。その後はラズパイに指す時にmicroSDカード自体がベンチで10〜40MB/s程度だと、それだけで80MB/sの5倍以上時間がかかるのは数値からも明らか。
ネットワークとカードリーダが遅いのは最初のISO・インストーラ作成なので、1回だからまだ我慢も出来るが、microSDカード自体が使い古しの遅い製品だと、まずインストーライメージを書き込む時も遅いし、ラズパイに挿してからWindowsインストーラーが起動してからも、ランダムアクセスでmicroSDカードに読み書きにいくので、5倍遅くてさらに欠損のありそうな使い古しのものを使うのはやめたほうがいい。
遅いのに我慢することにしたとして、新品の80MB/sのmicroSDでも普通に6〜12時間かかるんだが、5倍以上かかったらそれこそ何日かかるかしれない。
(3)キーボードやマウスが効かない
・・・キーボードやマウスも大きい消費電力を食うことに気づいているかと思うが、それでも(1)で電源が安定していればそうそうハズレのデバイスに当たることもないだろう。
注意深くいくなら、フルキーボードや変に安い中華デバイスを避けて、コンパクトキーボードやワイヤレスマウスを使っているだろうし。
そういう電源周りの前提をクリアしてもなお、キーボードやマウスが効かないのは実は複雑な理由が合って、やはりラズパイが1GBしかメモリがない事と関係する。
簡単に言うとモニタ解像度。
とにかくそれよりもインストールを進める事を優先する。
要は、「最初のBIOS画面で色々設定したあとにResetを選んだらすぐにキーボードとマウスを抜く」。
Windowsインストーラの必要な場面になってからキーボードとマウスを指すと、その時点でWindows標準ドライバがデバイス認識を行うので(WindowsとBIOSのデバイス認識は違うのはよく知られているが、ラズパイの場合2つの場面でそれぞれのドライバが譲歩するような動きになっていない)、一般的にデバイスドライバをインストールする時と同様な、インストール前に接続せずに、必要な時にUSB機器を接続するという形を取らないと正常に動作しないのだ。
これもメモリが潤沢なら解決した問題っぽいのは、モニタ解像度と絡んでいることで推測される。
そして次とも重なるが、時間がかかっているだけで動いているように見えない場合でも、ここまで(1)を推奨してきたとおりに行なっていれば、ひたすら待つ。そして「やり直しボタンを数回押す&電源OFF/ONする勇気」さえあれば、OOBxxxxxxと表示される問題が発生しました画面をクリアすることが出来る。問題はタイムアウトなので。問題が発生しました画面でmicroSDカードの黄色いLEDの点滅が無い期間を見計らって、電源をOFF。再度電源をONする時にキーボードやマウスは状況によっては抜き差しが必要だが、まず最初のデバイス認識でなければそのまま繋いでおいてよいだろう。
(4)リブート、無限ループ、ブラックアウト、エラー画面などとにかく正常な画面にならない
・・・(1)の完全適用 かつ CPU=MIN
(5)とにかく動作が緩慢で重くて使い物にならない
・・・インストール時はmicroSDカードを高速版へ。それ以降はWUpdateによるもの。
(6)Windows Updateによる高負荷プログラム
・・・モニタ解像度800x600
(7)通常のマルチタスクで動いているプログラムによるディスクアクセス負荷
・・・Windows10軽量化
P.S.
軽量化でWindows UpdaterやMicrosoft Search Indexer、自動回復ポイントの作成などの停止があるが、1809 ARM64 適用後のクリーンインストール直後は必要ない。
なぜならWindows Updaterはユーザ任意の更新チェックボタン押下か、Microsoftからの更新プログラムをアクティブ以外の時間でしかチェックせず、通常はサービスはキックされていない。回復ポイントもデフォルトでは「作成しない」。Microsoft searchも200以上の拡張子をチェックするが、精々1000ファイル程度なので、他の軽量化後にはすでに完了済みでその時の負荷は0.1%以下。7から問題になっていた件なので既にMicrosoftが対策済みとなっている。
P.S.2.
(7)Windows10軽量化
軽量化の方法として、もう一つ効果的な方法がある。
(a)別ドライブ作成
(b)ページングファイル移動
(c)サイズ固定化
を行うとmicroSDへのディスクアクセス負荷が大幅に減少するのだ。
そのためには次の様に行う必要がある。
(i) 一つ容量の小さいmicroSD(16GB)でWindowsインストーラを作成する(WoAで作成する時に16GBで行う)
(ii) イメージを本命の容量の大きいmicroSD(32GB)へ書き込む
(iii) 32GBの16GBイメージの後ろに未割り当て領域が出来るので、パーティションツール(EaseUS Partition Master Free推奨)で、元の領域を拡張して、後ろに2GBのプライマリパーティションを作成
(iv) Windowsインストール後には、別ドライブとして認識される
(v) システムの詳細で、ページングファイルを別ドライブ上に1.5GBの固定サイズに変更する
ちょっとmicroSDが大小2枚必要になるので手間はかかるが、16GBがバックアップにもなるのでいいかと。